姫路市飾磨区英賀宮町の英賀神社様にて、鳥居の解体工事をさせていただきました。300年地域を見守ってきた、北木石の鳥居

姫路市・たつの市・太子町・相生市を中心にお仕事をさせていただいています、八田(はった)石材の八田俊之です。今回は、姫路市飾磨区英賀宮町の英賀神社様にて、鳥居の解体工事をさせていただいた際の様子をご紹介します!

 

【姫路市飾磨区英賀宮町 英賀神社 鳥居解体工事】

 

姫路市飾磨区英賀宮町(あがみやちょう)にある英賀(あが)神社様より、鳥居を新設するため、現在ある鳥居の解体工事をご依頼いただきました。当店からは車で20分ほどのところです。昨年神殿を新しくされて、鳥居をどうしようか・・・というときに、役員の方にお声かけいただいてお任せいただけることになりました。

英賀神社は、創建が奈良時代以前といわれるとても歴史のある神社で、英賀(あが)という地名もこの英賀神社の御祭神にちなんでいるそうです。歴史的な文化財も多く、お祭りや行事などで年間を通してたくさんの方がお参りに来られます。

そんな歴史ある神社の鳥居を見せていただくと、なんと300年ほど前に建てられた鳥居でした! とても立派な鳥居でしたが、さすがにかなり老朽化が進んでいて、ヒビが入っている部分等もありました。長い間地域を見守ってきた鳥居でもありますので、取り壊さずに据え直すお見積もりもさせていただいたのですが、強度的にも心配があり、この機会に新しく作り直すことになりました。

 

解体工事が始まりました。高さは17尺、約5,2mあります。石は、瀬戸内海の北木島で採れる北木石という石で作られた鳥居です。これから鳥居正面の額を外します。

 

額は木製の漆塗りで、10数年前に作ったものだそうです。漆塗りの職人さんに来てもらって、取り外しを手伝ってもらいました。こちらは木の朽ちた部分などを補強して、また漆を塗って新しい鳥居に取り付ける予定です。

 

一番上の笠石を吊り上げています。通常は、この大きさの鳥居ですと、笠石は2本の石を組み合わせて作られていることが多いです。中には3本のものもあります。

 

取り外した笠石をトラックに積み込みます。近くで見るとかなりの大きさです! 周りに気をつけて、慎重に安全に積み込んでいきます。

 

笠石を二つとも取り外しました。次は、真ん中にある支えの石を取り外します。このあと、柱石を貫いている中貫の石を取り外して、すべてトラックに積み込みます。

 

残るは柱石です。これはこのまま吊っても抜くことはできないので、下に矢を入れて石を割り、柱を折ってから吊り上げて搬出します。

 

折った柱を吊り上げて、慎重に搬出します。この柱石だけでも5m近くあります。安全に十分注意して、トラックに乗せます。

 

トラックに柱石を乗せました。大型のトラックですが、さすがにギリギリですね^^;

今回は、2つの柱のうち1本は当社の工場で加工して、神社の中に設置することになっています。古い文字彫刻の部分を残してカットして、英賀神社の歴史として後世に伝えていくそうです。

 

取り外しがすべて完了しました。両脇の灯篭の上部も劣化が進んでいたのでこの機会に据え直しをすることになり、取り外しています。

鳥居の新設は、今年の8月末頃の予定です。岐阜県の有名な鳥居専門会社さんに協力してもらって製作を進めています。完成の際は、またその設置の様子などもお伝えできればと思います!