老朽化した神門の跡地に八幡型の鳥居を建立。太子町吉福八幡神社

姫路市・たつの市・太子町・相生市を中心にお仕事をさせていただいています、八田（はった）石材の八田俊之です。太子町吉福にある吉福八幡神社様にて、鳥居の建立をさせていただきましたので、ご紹介いたします！

 

太子町吉福八幡神社 鳥居建立

 

吉福八幡神社様は周辺地域３ヶ村の氏神様で、古い歴史のある神社です。その総代様や氏子の皆様方から、「老朽化した神門を取り壊して鳥居を建立したい」と5,6年からご相談をいただいていました。その後、時間をかけて取り壊しや新しい鳥居建立の費用の予算組み等をしていただいて、今回いよいよその取り壊しと、鳥居の建立工事を進めることになりました。

 

こちらがその神門です。はっきりとは分かりませんが、１００年以上は経っていると思われるとても歴史を感じる神門でした。老朽化が激しく、人が通れないほど危険な状態です。そのため取り壊して、この跡地に鳥居を建立することになりました。

 

神門を内側からみたところです。かなりの老朽化で、傾いて倒れてしまわないように引っ張って固定していることがわかります。やはり、早急に工事が必要です。

 

工務店さんで神門の取り壊し工事が終わったところです。木造の部分、柱の下の束石なども取り除きました。この場所に、新たな鳥居を設置します。

 

工事に入る前に、皆様で集まって地鎮祭を執り行いました。その後、当社での鳥居工事を開始、鳥居の設置とその下の参道を整備しました。

 

完成しました！

老朽化して人が通るのも危険だった神門の代わりに、美しく丈夫な御影石製の鳥居が完成です。今回は、工務店さんのご提案で竣工式でテープカットを行うことになったので、その準備で紅白のテープを取り付けています。

 

白御影石製、八幡型の鳥居です。八幡型の特徴は、一番上の笠の部分に額があることです。大きさ（左右の柱の高さ）は１０尺、約３メートルあります。同じ石を使用した４通りのご提案をした中から、バランスの良い大きさや費用面での検討を皆様でしていただいて、こちらの大きさに決まりました。表面は小叩き仕上げとなっています。正面の額字部分は、文字彫刻部分の周りを少し彫って黒で着色することで、より文字を浮き立たせる形をとりました。

参道は、延長する参道の幅に合わせて設計しました。こちらの表面は奥の参道に合わせて「ノミ切り仕上げ」としています。石の表面の仕上げ方には、昔ながらの小叩きやビシャン、現代のバーナー仕上げなど、様々な方法があります。ノミ切り仕上げは、ノミで表面を叩いて仕上げる昔ながらの方法で、小叩きよりも粗く、自然な風合いに仕上がるものです。墓石の表面のようにツルツルに磨かれていないので、雨などで濡れても滑りにくく、安全にお参りいただくことができます。

 

竣工式でのテープカットの様子です。宮司様や総代様方、今回ご尽力された社寺工務店の社長さんでテープカットを行いました^^ その後皆様お一人ずつ鳥居をくぐって、「渡り初め」もされました。皆様晴れやかなお顔で、工事完了を喜んでくださっていました。年末年始、神社へお参りに来られる方が増える時期に間に合い、安全な状態で皆さんをお迎えすることができるようになり、本当に良かったと思います。

今回は、地元で古くから大切にされてきた神社様での鳥居建立工事でした。工事をさせていただいたのは今回が初めてでしたが、道沿いにあるため私も時々見かけていて、「ずいぶん歴史のありそうな神社だなあ」と以前から思っていました。地域の方の中には、長い間迎えてくれた神門が取り壊されたことを寂しく思う方もおられるかもしれませんが、今回建立した鳥居は向こう数百年は保つことのできるものです。これからはこの新しい鳥居が数百年先までずっと長く地域を見守り、地域の皆様に愛される、神社様のシンボルになってくれるといいなと思っています。